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『澪先輩の頭の中』など(けいおん百合妄想SS)

けいおんののSSを公開します。
視点でな内容です。
多分今年はこれで最後かなー。

先輩の頭の中』と『行列』の2本あるのですが、
ほぼ連続した内容で、どちらも1KB程度と短いので、
この記事にまとめて載せちゃいます。
どちらも冬休みにまつわるお話。

それでは、お楽しみくださいませっ!
そしてよいお年をー!!

その1



 『先輩の頭の中』



 冬休みになっても毎日のように部室にやってくる私たちって、はたから見るとちょっと可哀そうな人たちって思われてるのかな。もっとも氷点下の冷え込みの中、毎朝授業があるわけでもないのに、きちんと定刻通りに顔を出すのは私と先輩くらいのものだけど。なんて考えてると、さっそく部室のドアが乱暴に開け放たれた。

「おはよう、っ」
「おはようございます、先輩……って、どうしたんですか、そんなに急いで」
「うん、ちょっとな」

 だけど私の質問にろくに答えようともせず、定位置に座った先輩はお気に入りのノートをバッグから取り出すなり、すぐに何かを書き込み始めた。どうやら来る途中にインスピレーションがわいて、忘れないうちにアイディアを書き留めてるって感じ。もう私のことなんか眼中にないらしい。

 『ふわふわ時間(タイム)』、『カレーのちライス』、『私の恋はホッチキス』、『ふでペン ~ボールペン~』、などなど。先輩のつづる歌詞はホントに独特だ。身の回りの何気ない出来事が、先輩の手にかかるとたちまち思春期女子のラブストーリーになってしまう。そんな先輩のことを、まるで私は言葉の魔法使いのように感じてる。

 同じ場所で同じ時間を過ごしてるはずなのに、今のお互いの時の流れはまるで違う。

 真剣に物事に取り組んでる先輩の横顔を見られるのは、とっても嬉しい。
 だけど、そこに自分の入る余地がどこにもないのは、ちょっと悲しい。

 しかたなく私は、自分のと合わせて二人分の紅茶を用意することにした。5分ほどかけて淹れた紅茶を先輩の専用のティーカップにそそぎ、なるべく創作の時間の邪魔にならないようにそっと脇に置く。朝の部室はまだまだ空気が冷えているためか、いつもよりカップから湯気が高く立ち上っていた。それはもう、まるで天井にまで届きそうな勢いで、ますますここが魔法使いの秘密の小部屋のように思えてくる。

 ふと、先輩の書いてる内容はどんな感じなのかな、と興味がわいた。まさか謎の古代文字や呪文だらけってわけでもないだろうけど。

 そおっと背後から、気づかれないようにノートの中身をチラ見する。すると何やらチョコだのクリームだのキャンディーだのピュアだのハートだのと、読み上げるだけで虫歯になりそうな甘い言葉が無数に書き連ねられてた。

 ほんと……澪先輩の頭の中ってどうなってるんだろう。

「ん、何か言った?」

 顔を上げた先輩が私に向かってそんな質問を投げかけてくる。あれ、ひょっとして私、自分の考えを思わず声に出してしまっていたのだろうか。

「あ、いえ別に。ただ……」
「ただ、何?」
「澪先輩って、歌詞を作る時とか、どんなこと考えてるのかなあ、と思って」
「うーん、そうだなぁ」

 しばし考えこんでから。

「誰にも言わないでよ?」
「はい。それはもちろんです」

 私がうなずくと、渋々という感じで再び澪先輩が口を開いた。

「最近は9割方……のコト、かな」

 そう言って、頬を朱に染めながら先輩はそっぽを向いてしまう。

「え……ええええっ!!」

 何その爆弾発言。いやそれってつまり、その。

「だからさ、誰にも絶対ナイショだぞ」
「あ……ああ、当たり前です。そんな恥ずかしいコト、言えるわけないですよっ」

 ヤバい。ヤバい。ヤバい。ヤバすぎる。じゃあ最近の軽音部のオリジナルナンバーって、ひょっとして……私宛の……。そこで私の思考はピタリと止まってしまう。ますます紅くなる澪先輩の横顔を、しばらく私は穴が開くほど見つめていた。

 どれくらい時間がたったのか。ようやく我に返った。やっぱアレだよね。先輩のことだけ聞いといて、自分が黙ってるのは不公平だ。

「あの、じゃあ、今度は私の頭の中のコト、こっそり教えちゃいますけど……」
の……?」

 それまでそっぽを向いていた澪先輩の瞳が再び私に向けられ。

 今度は、ふたりだけの時間が、ゆっくりと流れ始める──。

(おしまい)


その2



 『行列』



 おっかしいなあ。どうしたんだろう、澪先輩。昨日までは、冬休みでもちゃんと朝から部室に来てたのに。どうして今日に限って姿を見せないんだろ。メールにもぜんっぜん返信来ないし。

 そろそろ10時になるし、いっそのこと、こっちから電話してみようかな……なんて思った時だった。握りしめていた携帯がぶるっと震えたのは。

『あ、。ごめん、悪いけど今日はそっちにいけない。みんなにもそう伝えて』
「それはいいですけど、どうしたんですか。もしや病気とか」
『いや、そういうんじゃないんだけど……。実は今、東京にいるんだ』
「と……東京!? な、なんでそんなところにっ」
『昨日、律からすっごい極秘情報を教えてもらってさ』
「律先輩から……ですか?」

 うわあ、なんかそれ、めちゃくちゃイヤーな予感が。

『レフティモデルの超特価即売会をやるっていうんで、今その行列待ち。何万人いるんだろって感じでさー』

 すっかり声が裏返ってるよ澪先輩。よっぽど楽しみなんだなあ。でもそんなうまい話、そうそうあるわけない。

「なんですか、それ。ちなみに場所は。東京のどこら辺ですか」
『ええっと。と、東京……ビッグサイト?』

 え、あれ、ちょっと待って……。あわてて日付を確認する。今日は29日だから……げっ、コミケの初日じゃん!!

「先輩、今すぐ引き返してください。それウソですから。律先輩にダマされてますからっ」
『え、何? よく聞こえない。悪いけど列が動き出したみたいだから。後でかけ直す。じゃ』
「ちょ、ちょっと待ってください。澪先輩、先輩ーっ!!」

 その後いくら電話をかけ直しても、先輩が電話に出る気配はなかった。



 あーあ、鉄拳制裁くらいですめばいいんだけどな、律先輩……。

(おしまい)

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Author:あっとあとみっく
おもに百合(GL・ガールズラブ)な小説と周辺情報を公開しています。最近はコミPo!でオリジナル百合4コマも。現在は「けいおん!」、「魔法少女まどか☆マギカ」とオリジナル。カプ傾向は澪梓、憂梓、恵和あたり。あと、ほむほむは百合。
このブログはリンクフリーですが、相互リンクはお受けしておりません。ご了承くださいませ。
注:管理人の名称は「あっとあとみっく」が正式ですが、ごくまれに「藍」と名乗ることもあります。

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