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『けいおん超短編集』(けいおん百合妄想SS)

けいおんのSSを公開します。
ただし今回は超短編集でございます。

実は諸事情ありまして、
最近ツイッターの公式IDとは別に私的IDを取得して、
そちらでアイディアをいただきながら、
超短編をいくつか公開していました。

今回公開するのは、それらを加筆修正したものです。
(ただし最後の1本のだけは新作です)

合計で6本ありますが、全て独立していますし、
それぞれは1KB前後の短いものばかりです。
どうぞご安心ください。

 『スミレの花咲く庭先で』(
 『無防備は罪』(
 『練乳大好き』(
 『キッチン攻防戦』(
 『列車にて』(
 『生徒会長は百合を愛する』(

それでは、お楽しみくださいませっ!



 『けいおん超短編集』




    ◇  ◆  ◇

 『スミレの花咲く庭先で』(

────

 ずいぶんと日が落ちる時間が遅くなった。部活を終えて帰ってくるこの時間。冬場ならもう真っ暗になっているはずの家の周りも、まだ茜色に染め上げられている。少し前まで身を切るような冷たい風だったけど、それさえも爽やかさを運んできてくれるようになった。もう暖を求めて玄関に駆けこむ必要もない。

「……あ」

 ふと庭の片隅に目をやると、一輪の小さなスミレが花を咲かせていたのに気づいた。桜吹雪に目を奪われがちだけど、この時期はこの子たちの季節でもあるんだよね。

「でも、そういえば──」

 だけど確か、夜には雨が降るかもしれない、という予報だったことを思い出す。あわててケータイを取り出してスミレの姿を写真を撮り、それをすぐに先輩にメールで送る。

『もしよかったら、明日にでも見に来ませんか?』

 すると、ものの20秒もしないうちに返事が返ってきた。

『いいよ。さえよかったら』

 それを読むなり私は玄関に荷物を置き、かわりに安物のビニール傘を持ち出して、スミレを覆うように地面に広げる。これで万一、夜に雨が降ったとしても、色あせずに咲き続けてくれるだろう。

 とてもケータイのカメラなんかじゃ、この微妙な色合いは伝えられない。

 だから明日こそ見るんだ、この可憐なスミレの姿を、先輩といっしょに。





    ◇  ◆  ◇

 『無防備は罪』(

────

「ねえちゃん、私のこと好き?」

 今日も部活を終え、ベースを片づけていた私に、がそんな質問を投げかけてきた。彼女の真意を測りかねながらも私は答えを口にする。

「え…いや、そりゃもちろん好きだけど」

 するとは満面の笑みを浮かべ「よかった。私もちゃんのこと大好きだよっ!」と抱きついてきた。

 でもきっと…彼女と私の好きの意味は違う。そうと知りながら、なおそれでも無防備なの好意を受け入れてしまうのは、はたして罪なのだろうか。

 首すじに感じられる彼女のぬくもり、ふわりとした柔らかさ、ほのかな甘い香りがとても心地いい。

 もしそれが罪だとして、それは無防備な好意を振りまくと、それを知りながら受け入れてしまう私。はたしてどちらがより罪深いのだろう。

 できることならば、罰は私にだけ下されてほしいものだ。だって無防備が罪だなんて、あまりに残酷過ぎるじゃないか。だから裁かれるのは私だけで充分だ。

 全てを知りながら、なお口をつぐんでしまう、この私だけで。





    ◇  ◆  ◇

 『練乳大好き』(

────

 最近の私は少しおかしい。それはきっと全部、唯先輩のせい。

 いきなり何かを思いつくなり行動しちゃうのが唯先輩というもの。頭では分かっていても、そういつもいつも身構えているわけにもいかない。だから突然、唯先輩が口で「ぴゅー」などと言いながら私を攻撃してきても、とても避けることなんか無理だった。

「冷たっ。何するんですか唯先輩っ!」
「何って練乳チューブだけど」
「そうじゃなくて、なんで私に練乳をかけるんですか」

 すると唯先輩は、ニタリといやらしい笑みを浮かべ、両手を高くあげながら答えた。

「それはだね…あずにゃんを食べるためさー」
「わ…や、やめ…ひゃううっんっ!!」

 それどころか、両手で私を抱きしめると、ところ構わずぺろぺろと舐め始める。思わずヘンな声をあげちゃったとしても、それは不可抗力というモノだろう。

「ほらほら、ええのんか。ここがええのんかあ」
「いい加減にしてください。唯先輩がそういうつもりなら、こっちだって遠慮しませんからねっ!!」

 やっとのことで机の上に置かれた練乳チューブをひっつかみ、反撃開始。えいっ。

「わひゃああっ!」

 今度は唯先輩が悲鳴を上げる番だった。頭のそこかしこを白く染めた先輩が、満足そうな笑みを浮かべる。

「どうやら今夜も長くなりそうだね、あずにゃん。にゃははは」

 どうやらそればかりは否定できそうになかった。まさかこの格好で家に帰るわけにもいかない。とりあえずシャワーを浴びて着替えを借りて、それから、きっと……食べられちゃうんだ、別の意味で。

 そのコトを想像したら、思わず身体の芯がじわっと熱くなってしまった。



 最近の私は少しおかしい。それはきっと全部、唯先輩のせい。

 だから今夜こそはきっちり責任とってもらわないと……ね?



    ◇  ◆  ◇

 『キッチン攻防戦』(唯澪)

────

 夕方のキッチンでご飯の用意をしていると、急に背後から唯に抱きしめられた。

「澪ちゃん、好きー。わふううーん」
「だーめ、夜までお預けだから」

 懸命に冷静さを装い、私は唯のことをあしらう。ここで流されたら、また今晩も食事抜きは確実だ。まあダイエットをしてると思えば、それも悪くないのかもしれないけど……。

 いやいや。私だけならともかく、唯まで栄養不足に陥らせてしまったら、せっかく同居を認めていただいた彼女のご両親や憂ちゃんに対して、あまりにも申し訳なさすぎる。

「じゃあせめて手を繋ぐだけでも、ダメ?」
「いや、それじゃご飯作れないんだけど……」

 いつの間にか恒例となってしまった、こんなキッチンでのアホなやり取りを、ふと窓の外から月が冷ややかに見つめているのに気づいた。

 はいはい。わかってるよ、言いたいことくらい。どうせバカップルですよーだ。

「どうしたの、澪ちゃん?」

 私の不機嫌な態度に気づいた唯が、さも不思議そうに小首を傾げた。




    ◇  ◆  ◇

 『列車にて』(澪

────

 あれ、ここはどこだ。

 寝ぼけまなこで辺りを見回す。どうやら列車のボックスシートらしい。車窓の外はすでに夕闇が広がり始めていた。そしてすぐ傍に、心配そうに私のことをのぞき込むの顔があった。

 照れ隠しにあわてて腕時計を見ると、なんともう6時近い。いったい何時間乗っていたのだろう。

「なんで起こしてくれなかったんだっ」
「だって……澪先輩の寝顔があんまり可愛くて……」

 しゅんとするの姿を見て肩の力が抜ける。ほんとに、しょうがない奴だなあ。せっかく気分転換に時々出かける日本海の景色が見たいって言うから、こうやって出かけてきたのに。この時間じゃもう家に戻るしかなさそうだ。

「きっと昨晩の疲れが残ってたんですよ、先輩。すいません。なんだか私、少しはしゃぎすぎちゃって」

 落胆が顔に浮かんでいたのだろうか。フォローするように梓が口を開く。

「じゃあ今夜はもう少しマイルドに「それはダメです」

 ひょっとして今ならというわずかな期待は、梓の極上の笑顔できれいさっぱり吹き飛ばされた。そしてもちろん私には、それを拒否する権利も資格も持ち合わせてはいない。もとはといえば私の方から誘ったのだから。先輩であるはずの、この私が。

 それにしても……また今夜も、その……攻められるのか……あうううう。





    ◇  ◆  ◇

 『生徒会長は百合を愛する』(

────

「おはようございます」

 いつものように真鍋が生徒会室のドアを開けると、そこにはいたのは生徒会長の曽我部ただ一人だけだった。彼女にちらりと視線を向け、短く「おはよう、真鍋さん」と返事しただけで、再び手元の書類に目を向ける。いつになく真剣な表情を浮かべながら。

 ──きっとこれから開催される部長会議に備えてるんだわ。
 ──ああ、さすがです、会長っ。

 なるべく邪魔にならないように、は自分のバッグを所定の場所に置く。そしてあたかも会長のまねをするかのように、今日に備えてきれいにそろえられた資料を再度チェックしはじめた。もう暗唱できるくらい見直した内容だが、だからといって油断はできない。

 たとえば、どこかに思いがけないミスがあるかも知れないし、あるいはよどみなく答えられなければ、何かやましいことがあるのではと部長たちに勘ぐられてしまうかも。軽い緊張感を覚えながら、いつの間にかはその作業に没頭していった。

 だからは最後まで、尊敬する会長の口元が、しばしば不自然に緩むことに気づくことはなかった。なにせの脳内には、彼女の想像をはるかに超える妄想が、今にも破裂寸前に膨れ上がっていたのだから。

 ──やはりGLこそ至高。
 ──同級生同士。先輩と後輩。歌姫にあこがれる女学生。生徒会室の秘め事。
 ──あとは先生と生徒のイケナイ関係とか……ああ、もうっ。

 その瞬間、の心の中に、まるで天啓を受けたかのようなイメージが湧き上がった。

「ねえ真鍋さん、百合は好きかしら?」
「百合……ですか」

 質問の意味を図りかねながらも、は懸命に頭をめぐらせる。

「ああいう清楚な花は好きですよ。たとえば白百合は聖母マリアをあらわす象徴とも言われてますし」
「そう、それはよかった。ところで今回の資料の……ええと、18ページの三行目のところなんだけど──」

 とても良識的な反応を和が見せてくれたことに、は大きな安堵を感じながらも、同時に物足りなさを覚えずにはいられなかった。彼女が『百合』の別の意味を知らないか、少なくともすぐに思い浮かべるほどに関心を持っていないことは、どうやら間違いないことのようだったから。

 だがにはある確信があった。理屈ではない。同類だけが持つことを許される共感のようなもの。さあて、どうやって引き出して、育ててあげようかしら。あなたの中に眠る、あなた自身も気づかない、その志向を。

 その一方、真剣な色を目に浮かべる恵を見つめながら、きっと今の会話は軽い前振りだったのだろうと和は一人勝手に納得した。なぜ百合なのか、という疑問はたちどころにどこかに消え去ってしまう。

 どうやら和が恵に対して抱いている『聡明な会長』のイメージが音を立てて崩れることになるのは、もう少し先のことになりそうだった。

 (おしまい)

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Author:あっとあとみっく
おもに百合(GL・ガールズラブ)な小説と周辺情報を公開しています。最近はコミPo!でオリジナル百合4コマも。現在は「けいおん!」、「魔法少女まどか☆マギカ」とオリジナル。カプ傾向は澪梓、憂梓、恵和あたり。あと、ほむほむは百合。
このブログはリンクフリーですが、相互リンクはお受けしておりません。ご了承くださいませ。
注:管理人の名称は「あっとあとみっく」が正式ですが、ごくまれに「藍」と名乗ることもあります。

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