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『最後まで、貴女のそばに』(けいおんSS)

けいおん!の百合SSを公開します。

『最後まで、貴女のそばに』という題です。

視点で、登場するのは
ですが内容は澪で、ひょっとするとかも?

内容的には、

のことを心配するは、さりげなくに相談しようとするのだが……。

って感じです。
時期的にはアニメ第一期の第十二話、学祭ライブのあと。
拙著『今できる、精いっぱいのことを』のあとになります。

これまで、このブログで公開してきたけいおんSSには、
のふたつの流れがあったんです。
でも今回のお話で、それがひとつになりそうな気配です。
そしてがちょっと不利っぽい感じ。

それでは、お楽しみくださいませっ!

『今できる、精いっぱいのことを』から)



 『最後まで、貴女のそばに』



 何もできない。
 何もしてあげられない。
 大切なお友だちが苦しんでいるのに。

    ◇  ◆  ◇

「ふいー」

 私がその声に振り返ると、ちょうどお姉ちゃんが居間の床にころんと寝転がるところでした。ついさっきまではギターをかかえて何か熱心に練習していたのですが。

「なんか、疲れたー」

 先日の学園祭は直前に風邪を引いて寝込んでしまったり、当日にギターを忘れたりと散々でしたが、最後にはちゃんと盛り上げてしまう。さすがはお姉ちゃんです。

 学園祭の直前。軽音部の練習にお姉ちゃんのふりをして参加したときは、正直ひょっとしたら身代わりが務まるかもって気になったこともありました。だけど実際のライブを見たあとでは、そんなの思いあがりどころじゃないって感じです。

「ねえお姉ちゃん、最近はちゃんの様子、どう?」

 ちょうどいいタイミングだったので、私はお姉ちゃんに話しかけてみることにしました。ちょっと……聞いてみたいこともあったので。

「どうって、とあずにゃんは同じクラスなんでしょ。毎日会ってるじゃん」
「まあそうなんだけど、部活の様子はどうなのかなって」
「相変わらずカワイイよー」

 にひひ、とお姉ちゃんが笑います。ホント、ちゃんのことを気に入ってるんですね。

「それにギューってすると、真っ赤になって嫌がるし」
「あはは」

 なんだか想像できてしまいます。スキンシップはお姉ちゃんの得意技ですから。逆にちゃんはそういうの苦手みたいですし。

「でもまあ、あんまり嫌がるようなことはちょっと」
「ちっちっちっ。わかってないなー、は。昔から言うでしょ。『嫌よ嫌よも好きのうちっ』って」
「えっと、それ微妙に意味が違うような」
「ま、それに……」
「それに?」

 急にお姉ちゃんの笑顔が消えました。

「私があずにゃんにかまってないと、澪ちゃんとドンドン仲良くなって、そしたらりっちゃんが泣いちゃうから」
「ど、どうしてそう思うの?」

 そ知らぬ顔を装いなから、私はお姉ちゃんに質問します。

「いやー、なんとなく」

 頭をかきながら、てへへ、とお姉ちゃんが再び笑顔を浮かべました。でも私には、ちょっとショックかも。

 そっか。お姉ちゃん、ちゃんとわかってるんですね。理屈ではなく、カンで。

 澪さんのこと。
 それに律さんのこと。
 なによりちゃんの気持ちのことも。

 でもこれ以上は危険な領域に入りそうです。さりげなく話題を変えることにしました。

「なんだか泣いてる律さんっていうのも、あんまり想像できないけど」
「ふっ、はまだまだオコサマだねー。ああ見えてもりっちゃん、かなーり女の子っぽいところもあるんだから」

 ちょっぴり誇らしそうに、お姉ちゃんが胸を張ります。カワイイ。

「そうなんだ。たとえば?」
「たとえばねえ……あー、その前にノド乾いちゃったよ。なんか飲み物ちょーだい」
「はいはい。紅茶でいい?」
「えー、りんごジュースがいいのにー」
「それはさっき飲んだでしょ。甘いものばかりだと、そのうち虫歯になっちゃうよ」
「そんなー。のケチー」

 ふくれっ面を浮かべたそれはもう、すっかり普段どおりのお姉ちゃんの姿でした。

    ◇  ◆  ◇

「ねえ、お姉ちゃん」

 ひとしきり律さんの話をした後で、私は一番聞きたいことを質問することにしました。

「なあに?」
「もしもちゃんがものすごーく困ったことになったら、私に何ができるんだろう」
「なになに、あずにゃんがどうかしたの?」

 たちまちのうちに、お姉ちゃんの顔が曇っていきます。

「だからもしもよ、もしも」
「うーん、そうだねー」

 ほんの少しだけ考え込んでから、お姉ちゃんはぱあっと顔を輝かせました。

「そばにいてあげたらいいと思うよっ」
「え……それだけ?」
「うん、それだけ。だってがそばにいてくれたら、それ以上に心強いことなんてないし」

 お姉ちゃんの言うことですから、きっと正しいに違いありません。なにせ、ちゃんたちの気持ちを見抜いたお姉ちゃんなのですから。

「そっか……」
「だからもし、あずにゃんがどうしようもなく困ったことになったら、は絶対そばについててあげて」
「うん、わかった。ありがとう、お姉ちゃん」

 きっと梓ちゃんが本当に困ったことになるのは、澪さんとのコトなんです。だからもしそんな時がきたら、私が頑張らないと。なんせ梓ちゃんは大切なお友だちなのですから。

 ──きゅっ。

 なぜか、胸の奥が痛みました。

 不安……なのでしょうか。

 だめだめ、そんなことでどうするの。
 なんせ梓ちゃんは、一番大切なお友だちなのですから。
 私だけでも最後まで応援しなければ。
 そう決めたのですから。

 でも。

 どうして胸が痛いのでしょう。梓ちゃんのことを考えると。

 きっと、梓ちゃんのことが心配だからでしょうか。
 うん、きっとそうです。
 そうに決まってます。
 他に理由なんて、あるはずないです。

 頑張れ、梓ちゃん。頑張れ。
 私は貴女のそばにいます。

 最後まで。
 そばに。

    ◇  ◆  ◇

 理由なんかいらない。

 貴女に寄り添うのにも。
 貴女に寄り添ってもらうのにも。

『風邪の引き方直し方』へつづく)
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おもに百合(GL・ガールズラブ)な小説と周辺情報を公開しています。最近はコミPo!でオリジナル百合4コマも。現在は「けいおん!」、「魔法少女まどか☆マギカ」とオリジナル。カプ傾向は澪梓、憂梓、恵和あたり。あと、ほむほむは百合。
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注:管理人の名称は「あっとあとみっく」が正式ですが、ごくまれに「藍」と名乗ることもあります。

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